是枝:これはもう反省でしかないけど、企画プレゼンまでに時間がかかりすぎたね。去年も今年も。
本当はプレゼン終わって撮影に入るまでに、今やっているようなカット割の話とかカメラはどこに置くんだとかの話をもうちょっと、クランクイン(撮影開始)の前にしたいだよね。
傑作を撮るために授業をしているわけじゃないから、撮りながら何を学ぶかということで、次に繋げてもらえば全然構わないんだけど、
やはりもう少し前倒しで、具体的に撮影現場で起きるであろうことを想定して対策を立てたり、カット割を試しにしてみたり、カメラを使って、そういうシミュレーションを夏場ぐらいにやって、秋クランクインがベストだと思っている。
けど、なかなかそういうスケジュールで進まないな。難しいもんだな。
清水:私は撮影期間中に是枝監督の作品を見て学びましたよ!作品がものを言うみたいな。。作品で学ぶ、みたいなのがありました。
城:僕も脚本書くとき、「幻の光」を5分ずつ再生しながら脚本書いて…あぁいいなぁとか思いながら(笑)
是枝:ありがとう!見方変わるでしょう?自分が撮ってみるとやっぱり。カメラを見ながら、編集どうなってるんだろうって。
それも意外と楽しいもんだなって、もう抜けられないですよ、そこからは。
廣島:個人的にはもうちょっとドキュメンタリーについて教えてもらったらよかったなと思うんですけど。個人で学ぶのはやっぱり限界があるのかなと思っています。
是枝:そうだね。来年頑張る(笑)
この授業に不満とかはないの?もうちょっとこうしてくれると思ったのに、みたいな。
星合:私はみんなからのコメントがほしいなと思いました。
清水:私はもうちょっと班員が多かったらいいなと思いました。
是枝:班が多すぎた?4班のつもりだったんだけどね。
(今年度の授業では、全員が企画プレゼンを行った後、教員がその中から6つの作品を選び、最終的に生徒による投票を行いました)
票が割れちゃったんだよ。ほぼ全部に入っちゃって落としにくくなっちゃった。すみません(笑)見る方も4班くらいがちょうどよかったんだけど、まあでも結果的には良いんじゃない?バリエーション的には楽しいから。
星合:そもそも候補者たちを選ぶときはどういう基準、というか考えだったんですか?
清水:選ばれた側としては熱意かなと思ってました。
是枝:まぁ色々だけど、ほとんど土田さんと僕の判断は変わらなかったね。この辺かねってところはみんな入ってた。それで6本選んで、「この中から4本だね」というあたりは、どれくらい議論が授業の中で積み重ねられたか。あと、この題材に対する監督が持っているこだわりの強さ、みたいな感じじゃないかな。
橋本:せっかく班員なのに撮影に来なかった人とかいて、撮影に来ることも成績に入りますみたいにしてくれると…(笑)
宮崎:めちゃくちゃしんどいというのをもっと前面に出して、この授業に来る人にはそのしんどさを覚悟して来てほしいかな。私は覚悟決めて来たんで…
是枝:次から「しんどいです」と言って。
宮崎:「地獄です」みたいな感じで看板掲げてもらって。
(全員爆笑)
城:(この座談会の企画書を見て)この授業の雰囲気を読者にわかってもらうことが(目的です)…結論、地獄(笑)
是枝:作品を観てもらって初めて完成なので、そこまで失速しないように今持っているモチベーションを持続して、本当の最後の最後まで粘ることが大事だと思います。ちょっとでも良くするために、今でもいくらでもアイディアが出てくる。諦めないでください、撮り終わっても。